2024年の抱負

j_HironoriWashizaki2024年1月1日

鷲崎 弘宜

以下では、昨年の実績(2023年)を振り返り、新年の抱負(2024年)を「コミュニティ活動とプロフェッショナル貢献」「プロジェクト」「研究成果」「チーム編成」の観点から述べます。 英語版(English version)もあります。

  • 2023年のまとめ: 躍進の年
    1. 学会・コミュニティ:  IEEE-CS第1副会長、IPSJ SIGSE主査、ISO/IEC/JTC1/SC7/WG20 Convenor。国際会議IEEE CSEE&T、DSA、IEEE AVSホスト。SWEBOKガイドの改訂。
    2. プロジェクト: 10以上の研究・教育プロジェクト。スマートエスイーのサステナビリティ・トランスフォーメーションについて文部科学省事業に追加採択。
    3. 発信・業績: ジャーナル論文3+3本、国際会議・ワークショップ論文26+3本、書籍1冊、プロシーディングス2冊、特集号1冊、リーフレット1冊、基調講演・招待講演33件、受賞17件。
    4. チーム: 私たちのチームはより大きく、より多様になりました。複数の交換留学生が滞在し、共同研究において優れた業績をあげました。
  • 2024年のビジョン: 国際展開・リードの年
    1. 学会・コミュニティ: IEEE-CS次期会長、IPSJ SIGSE主査、ISO/IEC/JTC1/SC7/WG20 Convenor。IEEE Cybermatics、IEEE ISSRE、IEEE COMPSAC/SIoT、IISA、AsianPLoPの開催と貢献。SWEBOKガイドV4の発行。
    2. プロジェクト: AI/LLM/FMセキュリティ・コンティニュアム、JSPS科研費MLパターン、JSPS 科研費 機械学習支援ソフトウェア保守進化(ME-ML)、JST未来社会eAIフレームワーク、スマートSE、K-12 STEM教育、ゴール指向デジタルビジネス研究会など。さらに、5つ以上の産業支援プロジェクト。国際的な学会・コミュニティ活動との相乗効果。
    3. 発信・実績: システム、ビジネス、社会のためのスマート・知的ソフトウェア工学において、国際的にコミュニティをリードする研究チームとして認知されるよう、産業界や国際的な連携を強化しつつ研究を幅広く推進し、より多くの資金を獲得し、また結果として、社会に多くの価値を提供し、知識体系に貢献する。
    4. チーム: 世界トップクラスの教授が間もなくチームに加わります。様々な国からの新入生や交換留学生に期待し、その結果、プロジェクトや専門的な貢献を前進させるためにチームの創造性に貢献する多様性が生まれます。

1. コミュニティとプロフェッショナル貢献

2023: 鷲崎教授がIEEE Computer Society 2025会長に選出されました。大学にてIEEE CSEE&T、DSA、IEEE AVSなど、複数の主要な国際会議をホストしました。鷲崎教授は、IEEE Computer Society第1副会長を務め、会長のリーダーシップの下、SWEBOKガイドの進化やIEEE in 2050報告書に沿った戦略的活動計画の策定など、IEEE Computer Societyの方向性や活動を推進しました。また、IPSJ SIGSE主査、ISO/IEC/JTC1/SC7/WG20 Convenorなど他の学会にも貢献。また、システム情報やエクスモーションの社外取締役を務め、産学連携の強化を図りました。さらに、COMPSAC/SIoT’ PC Co-Chair、SPLC Publication Chair、SEKE Asia Liaison、APSEC Steering Committee Member、CSEE&T Steering Committee Memberなど多くの役職を歴任。また、IEEE Trans. Emerging Topics in Computing、International Journal of Software Engineering and Knowledge Engineeringなどのエディタを務めました。

2024: 鷲崎教授はIEEE Computer Society次期会長として、現会長のリーダーシップの下、SWEBOKガイドV4の出版や関連製品、ジュニアプログラムの開始、その他の専門的な活動など、IEEE Computer Societyの方向性をリードし、活動を推進します。鷲崎教授は昨年の他の様々な役職を引き続き担います。さらに、IEEE Cybermatics Congress 2024 General Co-Chair、IISA 2024 General Co-Chair、IEEE ISSRE 2024 Advisory Member、AsianPLoP 2024 Advisory Chair、COMPSAC/SIoT 2024 PC Chair、APSEC 2024 Education track Co-Chairなど、国際的な連携やリードの機会を広げます。

2. プロジェクト

2023: 10以上の研究・教育プロジェクトを成功裏に進め、その中には資金提供されたものや産業界が支援したもの、国際的な共同研究に基づくものが含まれています。スマートエスイーのサステナビリティ・トランスフォーメーションの取り組みは、文部科学省の事業に追加採択されました。

2024: AI/機械学習/自然言語処理ほかをソフトウェア開発・運用に統合することで、ダイナミックで不確実な時代のシステム、ビジネス、社会のためのスマート・知的ソフトウェア工学を、主に国際共同研究、産業共同研究によって深化・拡大します。研究成果の学会活動への応用や、コミュニティにおける展望の研究活動への取入れ、コミュニティネットワークに基づく共同研究推進などにより、国際的な学会・コミュニティ活動との相乗効果を通じた国際展開に資する創造的な研究・教育プロジェクトを推進します。

  • AI/LLM/FMセキュリティ・コンティニュアム プロジェクト(2023年~): AI/LLM/FMセキュリティ・コンティニュアムのための統合的なエンジニアリング基盤
  • JSPS科研費MLパターン プロジェクト(2023年~): 機械学習ソフトウェア工学パターンの抽出・検出・適用エンジニアリング
  • JSPS科研費ME-MLプロジェクト(2021年~): データ駆動型NLP・MLソフトウェア保守・進化エンジニアリング
  • JST未来社会事業eAIフレームワーク プロジェクト(2020年~): 信頼性の高い機械学習アプリケーションシステム開発運用のためのモデリングおよびパターン・MLOps統合エンジニアリング環境
  • スマートエスイー(2017年~): IoT・AI・DXのリカレント教育研究プログラム
  • K-12 STEM教育プロジェクト(2015年~): ICTクラブ活動、プログラミング入門・AI・関連分野のワークショップなど
  • ゴール指向デジタルビジネス研究プロジェクト(2013年~): デジタルビジネスの目標、戦略、測定、組織の整合

加えて、アジャイルメトリクス、ログ解析とUX改善、コードメトリクス、バグレポート処理、ナレッジマネジメント、標準化など、5つ以上の業界支援プロジェクトを実施していきます。

3. 発信・業績 (List of publications)

2023: 論文誌に3件の論文を掲載し、加えて3件の採択を得ました。国際会議・国際ワークショップで26件の論文・ポスター発表を行い、加えて3件の採択を得ました。書籍1冊、予稿集2冊、特集号1冊、リーフレット1冊を編集・寄稿しました。鷲崎教授は33件の基調講演と招待講演を行いました。活動は多くのニュースメディアで頻繁に報道されました。IEEE ComputerやIEEE ICEBEでの最優秀論文賞、多くの学生コンテスト賞、Smart SE enPiT-Pro最高S評価など、17の賞を受賞しました。昨年1月に掲げた目標はほぼ達成できましたが、2024年にはプロジェクトをより大きく、より深く、より国際化することで、よりインパクトのある、より社会と人類に貢献する活動を行わなければなりません。

2024: 国際的な学会・コミュニティ活動との相乗効果を発揮しながら、システム、ビジネス、社会のためのスマート・知的ソフトウェア工学における国際的にコミュニティをリードするトップクラスの研究チームとして認知されるよう幅広く一層、創造的に研究を推進し、産業界や国際的な連携を強化しつつ、より多くの資金を獲得し、社会に多くの価値を提供し、知識体系に貢献できるよう取り組みます。手法、プラクティス、ツールなどの形で研究成果の多くを、ローカルおよびグローバルなパートナーを通じて、実質的な価値を生み出すために継続的に使用されるように取り組みます。成果発表について、論文数などの定量的な目標よりも、トップクラスの国際会議や論文誌、あるいは深い議論や共同研究につながる場を重視します。

4. チーム構成

2023: 私たちのチームはより大きく、より多様になりました。ドイツやカナダから複数の交換留学生が滞在し、共同作業で優れた成果を挙げました。

2024: 世界レベルの著名な教授が間もなくチームに加わり、研究とコラボレーションが発展します。昨年同様、さまざまな国からの新入生、特に博士候補生が来る予定です。優秀な交換留学生も引き続き受け入れています。私たちのチームは成長し、より多くの国籍、背景、考え方を持つようになりました。このような多様性は、上記のプロジェクトを推進するためのチームの創造性と、プロフェッショナル貢献に寄与しています。

  • 2 教授, 1 客員教授, 1 客員准教授(予定、変更可能性あり)
  • 3-5 博士院生
  • 15+ 修士院生, 8-10 学部生
  • 10+ プロジェクト研究生
  • 招へい研究員を含む多数の連携・協力者