第2回 早稲田大学・Fraunhofer IESE共催セミナー
「データに裏付けられたIT経営とソフトウェア品質」
~ゴール指向の測定・改善およびGQM+Strategiesの実践と国際展望~
2015年9月4日(金) 早稲田大学西早稲田キャンパス

早稲田大学、Fraunhofer IESEの共催、IPA/SEC、CSAJ、ITCAの後援により、GQM+Strategiesと関連技術への取り組みや、国際規格ISO/IEC 25000 SQuaREシリーズを活用したソフトウェア品質評価の取り組みを中心として、ゴール指向と測定に基づいてデータに裏付けられたIT経営およびソフトウェア品質評価・向上の実践動向と国際展望を紹介します。第1回セミナーの様子はこちらを参照ください。

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GQM+StrategiesはIESEによって開発された、企業・組織における目標 と戦略(例えばIT化)の間で整合性をもたせて組織構造に沿って連鎖させ、かつ、目標達成を定量的に評価可能とする手法です。GQM+Strategiesは、ゴール指向の測定手法であるGQM(Goal-Question-Metric)法を、組織目標と戦略の整合に向けて拡張した手法と位置付けられます。
SQuaREは、システムやソフトウェア製品の品質要求と評価に関する国際規格シリーズです。

早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所からは、GQM法およびSQuaREシリーズを活用したパッケージソフトウェアやSaaSのソフトウェア品質実態調査の枠組みと今後の展望を解説します(IPA 2015-2016年度 RISE委託研究として実施)。また関連組織や協力企業等より、同品質実態調査のベースとなるSQuaREシリーズとPSQ認証制度について詳しく解説します。さらに、GQM+Strategiesや関連技法の国内における適用事例、ならびに、GQM+Strategiesを用いる際の組織戦略の衝突や不整合の検出について解説します。

IESEからはGQM+Strategiesの発明者より書籍『Aligning Organizations Through Measurement: The GQM+Strategies Approach』(2015年9月邦訳『ゴール&ストラテジ入門 – 残念なシステムの無くし方 -』オーム社、2015年9月4日出版、当日割引販売予定)に沿って、GQM+Strategiesの目的や仕組みを詳しく解説し、あわせて実践事例を紹介します。さらにGQM+Strategiesの応用研究として、ソフトウェアシステムにおける技術的負債(technical debt)や、スマートエコシステムにおけるビッグデータを扱う際のビジネス目標とIT戦略の整合にGQM+Strategiesを活用するプロジェクトを紹介します。

共催:
早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所
フラウンホーファー研究機構 実験的ソフトウェア工学研究所(Fraunhofer IESE)
後援:
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部 ソフトウェア高信頼化センター
一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
日時: 2015年9月4日(金)13:30-17:30(終了後、懇親会を予定)
場所: 早稲田大学西早稲田キャンパス57号館201教室(東京メトロ副都心線西早稲田駅 徒歩2分
、JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線 高田馬場駅 徒歩15分)
参加費: セミナー 無料、懇親会 4000円程度(場所は同キャンパス 63号館1階、立食形式を予定)
参加申込: こちらから参加を申し込みください。懇親会参加希望の場合は9月1日までに申込みください。
懇親会: 懇親会では参加者や、書籍『Aligning Organizations Through Measurement: The GQM+Strategies Approach』の著者Jens Heidrich博士、さらに、2015年9月4日出版の邦訳書『ゴール&ストラテジ入門』(当日 割引販売)訳者でもあるセミナー講師陣と交流いただけます。
定員: 200名(セミナー)
問い合わせ: rise2015 [at] list.waseda.jp

ITコーディネータの方へ
本セミナーは、ITコーディネータ協会(ITCA)に後援をいただいていますので、実践力ポイント獲得の機会となります。ITコーディネータの方も奮ってご参加ください。
※ポイント認定につきましては、遅刻・早退を認めておりませんので、あらかじめご了承ください。
● 出席証明書はセミナー受付時にお渡ししますのでお申し出ください。
● セミナー終了後、事務局確認印を押印いたします。氏名、ITC資格No.をご記入の上、受付にお越しください。(事務局確認印が無い場合、ポイントは無効です)

プログラム(予定):
13:30-13:35 オープニング

セッション1: GQM+Strategies概要と事例紹介

13:35-14:05 GQM+Strategies Introduction> (英語講演)
Jens Heidrich (Fraunhofer IESE)
GQM+Strategiesの内容を解説します。

14:05-14:20 GQM+Strategies Case studies (英語講演)
Jens Heidrich (Fraunhofer IESE)
GQM+Strategiesの実践事例を解説します。

14:20-14:35 企業内の目標管理(Management By Objective)での活用事例
野村 典文(伊藤忠テクノソリューションズ、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所 研究員)
弊社では、2014年度からGQM+Strategiesを活用して組織における年間の目標管理を実施しています。GQM+Strategiesによる目標管理の利点、効果、課題等を実際の現場で活用している事例を基に紹介致します。

14:35-14:45 質疑

14:45-14:55 休憩

セッション2: GQM+Strategiesおよび関連技術の研究最前線

14:55-15:25 GQM+Strategies for technical debt in software systems and big data in smart ecosystems (英語講演)
Jens Heidrich (Fraunhofer IESE)
ドイツの企業においてGQM+Strategiesの適用により、技術的負債の測定を通じてビジネス目標とIT戦略の導出および整合させるプロジェクトProDebtを紹介します。さらに、ドイツ政府の支援のもと企業協力を経て、スマートエコシステムにおけるビッグデータのためのビジネスおよびIT戦略の定義にGQM+Strategiesを用いるプロジェクトPRO-OPTを紹介します。

15:25-15:40 組織戦略の衝突や不整合の検出方法に関する研究
青木 耀平(早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所)
水平方向の関係性が無視されていることがあります。本講演では、特に水平方向の戦略関係に注目した整合性の管理手法に関する研究成果を紹介します。

15:40-15:55 Yahoo!クラウドソーシングのサービス運営におけるGQMの活用(サービス目標、戦略、KPIへの適用)
小川 健太郎(Yahoo! JAPAN)

15:55-16:05 質疑

16:05-16:15 休憩

セッション3: ゴール指向とソフトウェア品質の実態と国際規格

16:15-16:35 ISO/IEC 25000 SQuaREシリーズ解説
込山 俊博(日本電気株式会社 ソフトウェア生産革新本部 エグゼクティブエキスパート、早稲田大学 グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所 研究員)
本講演では、国際規格ISO/IEC 25000 SQuaRE (Systems and software Quality Requirements and Evaluatio)シリーズにおけるシステム及びソフトウェアの品質要求定義及び品質評価の考え方を概説します。GQMとSQuaREの関係性についても言及します。

16:35-16:55 SQuaREシリーズISO/IEC25051を活用したPSQ認証制度
中野 正(コンピュータソフトウェア協会 PSQ認証室)
SQuaREシリーズの拡張部門ISO/IEC25051を活用したソフトウェア品質認証を実現したPSQ認証制度が、SQuaREシリーズで定義される品質特性を用いてどのようにソフトウェアの評価を行うのかなどを説明します。

16:55-17:15 IPA RISE委託研究 ソフトウェアのベンチマークとなる品質実態調査における品質評価枠組み
鷲崎 弘宜(早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所 所長)
早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所では、2015-2016年度 IPA RISE委託研究として「測定評価と分析を通じたソフトウェア製品品質の実態定量化および総合的品質評価枠組みの確立」を進めています。これは、市販されているパッケージソフトウェア製品およびSaaSの内部品質・外部品質・利用時の品質を、SQuaREシリーズとGQM法の活用により策定した品質評価の枠組みに基づき調査定量化するものであり、その成果は異なる品質間の関係を総合的に実証した世界初のベンチマークとなります。本講演では、その品質評価の枠組みを解説し、調査の展望をあわせて紹介します。

17:15-17:25 質疑

17:25-17:30 クロージング

18:00- 懇親会