情報処理学会第186回ソフトウェア工学研究会で1件の発表を予定: 保守性・再利用性が低いファイルの予測:産業データを用いた研究

津田 直彦,高田 正樹,鷲崎 弘宜,深澤 良彰(早稲田大学), 杉村 俊輔,保田 裕一朗,二上 将直(小松製作所), “保守性・再利用性が低いファイルの予測:産業データを用いた研究”, 情報処理学会第186回ソフトウェア工学研究発表会, 大阪大学, 2014年11月13日(木)~14日(金)

再利用性の高い資産を蓄積するためには,保守性・再利用性の低いソースコードファイル(Unacceptable Files:FS)とそうでないファイル(Acceptable Files:Fs) を見分け,早い段階でUFs を発見し修正する必要がある.人手レビューには時間がかかるため,自動でUFs を検出するための研究がこれまでされてきた.しかし,言語や開発形態の違いなどからソフトウェアプロジェクト毎にメトリクス傾向は異なることが多い.そのため,GQM 法などを用いてあるプロジェクトに対して自動評価式を作成しても,他のプロジェクトに対しては適切でない評価をしてしまう場合がある.そこで,我々はGQM モデルを共通のドメインで再利用しつつ,メトリクスの値を解釈する評価式のパラメタ(閾値)変更によってプロジェクトに合わせた自動評価をする仕組みを考えた.そして,可変部分である閾値を経験的に決めるのでなく,実際の人手レビュー結果に基づいて決めるための枠組みを考案した.本稿では建機メーカーの実プロダクト(C++)を用いて,提案する枠組みの有効性を実験的に確認した.その結果,評価する項目によってはファイルの自動評価を人手レビューに十分近似させることが可能とわかった(カッパ係数0.7 以上の一致度).