特別セミナー「アジャイル品質と引継ぎパターン」9月30日

セミナー「アジャイル品質と引継ぎパターン」 2016年9月30日(金)に開催します。アジャイル開発やパターンをリードするJoe Yoder氏からアジャイル品質講演、さらに引継ぎパターン紹介とワークショップの実施。ぜひ参加ください。

「引き継ぎ」は優れた知識や技術を企業に残すうえで、重要な活動です。引き継ぎの失敗により、必要な知識や技術が失われてしまう事例は多くみられています。2006年1月に日経BPのWebサイト上で実施されたシステム引き継ぎに関するアンケートでも、多くの引き継ぎに関する経験談が投稿されています(アンケートの内容については、http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060324/233161/ において公開されています。)。また、我々が実施したシステム業務従事者を対象とした引き継ぎに関するワークショップでも多くの失敗談が提供されました。我々は、引き継ぎの失敗事例について特性要因図やなぜなぜ分析などを用いて、原因の分析を行いました。その結果に基づき、失敗の原因を解決するための「引き継ぎパターンランゲージ」を提案しています。

実際に提案しているパターン(「業務知識の拡散」、「別室での引き継ぎ」)について、ご紹介します。

人事異動前に前任者が後任者以外の第三者(同僚や自身の上司など)に、自身の業務知識を拡散する「業務知識の拡散」というパターンでは、前任者のノウハウが失われてしまうリスクを軽減させることができます。また、自身の業務知識を拡散させることで、引き継ぎドキュメントのレビューアや、後任者をフォローしてくれるような人材を得ることができます。

「別室での引き継ぎ」では、引き継ぎ時に前任者と後任者が執務室以外の部屋(ミーティングルームや打ち合わせスペース)に移動することで、突発的な業務による引き継ぎの中断などを防ぎ、前任者と後任者が引き継ぎに集中することができます。

本ワークショップでは、我々の提案する25の引き継ぎパターンにおけるパターンをワークショップ形式で関連付けることを試み、パターンのマップを得ることを目標とします。さらにその過程で、新たなパターン候補を探ります。引き継ぎに関する意見や経験を参加者で共有し、活発な議論を行うことで、みなさんが「優れたノウハウを企業に残すための適切な引き継ぎ」のヒントを得るきっかけとなることを期待しています。