2020年の抱負

プロジェクト、業績、コミュニティ・プロフェッショナル貢献、チーム構成の観点から、以下に2019年を振り返り、2020年の抱負を述べます。英語版 English Version もあります。

ハイライト

2019: スマートエスイーおよびSE4BSを含む15助成・産学プロジェクト。論文誌論文 12、国際会議 24, 雑誌記事2, 書籍1, 講演44。COMPSAC/SISA PC Co-Chair, AsianPLoP General Chair, IEEE CS PEAB Engineering Discipline Chair, IEEE CS Tokyo/Japan Chapter Chair, APSEC Steering Committee Member, しごと能力学会 理事, COMPSAC Advisory Committee Member, IEEE Trans. Emerging Topics in Computing, IJSEKEおよびHeliyon編集委員. 早稲田大学研究推進部副部長, システム情報 取締役(監査等委員), エクスモーション 社外取締役.

2020: 新規を含む15+助成・産学プロジェクト。論文誌論文 7、国際会議20偏。SISA PC Co-Chair, AsianPLoP General Chair。スマートエスイー コンソーシアムWG活動。SE4BSアウトリーチ。SWEBOK V4策定リード。継続: 早稲田大学研究推進部副部長、システム情報 取締役(監査等委員)、エクスモーション 社外取締役.

プロジェクト

2019: 我々はスマートエスイーおよびSE4BSを含む以下の8プロジェクトを成功裏に立ち上げおよび継続しました。加えて企業パートナーとの7以上の共同研究プロジェクトを継続しました。Florida Atlantic University, Ecole Polytechnique de Montreal, Concordia Universityおよび Hillside Group を含む様々な海外パートナーとの研究連携を深めました。

  • スマートエスイー: スマートシステム&サービス技術の産学連携イノベーティブ人材育成 2017-2021 (文部科学省 enPiT-Pro): AI・IoT×ビジネス分野のイノベーション人材を創出する社会人学び直し事業、13大学21組織、会員5000企業超と産学連携ネットワークを実現。2018年度に1期生30名が受講、約25,000名がオンライン講座を受講登録。コンソーシアムを通じて金沢および企業 日立製作所・NECへのオンサイト教育提供。
  • GQM-RG: Goal-oriented Qualitative/Quantitative Measurement and Management Research Group 2013-: ゴール指向の定性/定量測定・マネジメントの調査研究 2013-: GQM+Strategiesおよび関連手法の実践および応用研究。2020年1月から始めるビジネス要求・戦略に関するスマートエスイーコンソーシアム調査研究WGの準備。
  • CSPM: Cloud Security and Privacy knowledge Metamodel 2015-2019 (SCAT研究助成): クラウド・フォグ・IoTコンピューティングにおけるセキュリティ&プライバシの知識を表現および構成するための共通メタモデルの構築。
  • TraceANY 2016-2021(科研費 基盤研究(B)): あらゆるソフトウェア成果物のあらゆる抽象度における追跡手法、およびそれを支えるプログラムメタモデルの分類 (ProMeTA: Program Metamodel TAxonomy)。
  • Waseda Software Quality Benchmark 2015- (IPA/SEC RISE: ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業): ソフトウェア製品のSQuaREに基づく体系的な品質評価。成果をICSE 2019 SEIPにて発表。
  • G7 Programming Learning Summit 2016- および総務省「地域におけるIoTの学び推進事業」実証事業ICTクラブ 2018-2019: 小学生を対象としたICTクラブ活動を大田区および狭山市を完了。成果を応用して書籍『Scratchでたのしく学ぶプログラミング的思考』(マイナビ)出版。
  • ビジネスと社会のためのソフトウェア工学 (SE4BS): DX時代に必要な社会、ビジネス、ソフトウェア工学およびデザイン思考を含む関連領域を結びつける体系および方法論の整備に着手。
  • ソフトウェア工学とIoT/機械学習 (部分的にJSTおよびTTC助成): JST未来社会QAML プロジェクトに参画し、機械学習(ML)エンジニアリングのプラクティスおよびプロセスの調査研究。TTC助成のもと、IoT/AIとシステムズ・ソフトウェアエンジニアリングの最前線の調査。関連してYann教授・Foutse教授を招聘しMLアーキテクチャ・デザインパターンおよび実証的ソフトウェア工学の共同研究。IoTソフトウェア工学について交換留学生の取り組み。

2020: 我々は本年をさらなる飛躍と展開の年と位置付け、上述の8プロジェクトを継続しつつ社会へより具体的に深く働きかける形で発展させます。特にスマートエスイーコンソーシアムにおける調査研究WG、プログラミング教育プロジェクト、SE4BS、ソフトウェア工学とML/IoTについて産学連携による研究、教育・人材育成、交流を展開します。また7以上の企業パートナーとの共同研究を継続発展させます。

業績 (研究業績一覧)

2019: 昨年我々は、12編の論文をIEEE Access, IEEE IoT JournalおよびSpringer TPLoPを含む優れた論文誌において発表しました。また、国際会議発表23編 (うちCORE Rank A*会議1編、Rank A 3編、Rank B 3編、Rank C 2編)、国際会議ポスター1件、学会誌記事2編、書籍1冊、および、基調講演を含む44件の講演機会を得ました。我々の活動は日本経済新聞を含む多くのメディアや会議において取り上げられました。IWESEP Best Paper Award、IMS Japan賞、日本e-Learning大賞、IPSJソフトウェア工学研究会卓越研究賞をはじめ多くの表彰を得ました。昨年1月1日に目標として掲げた数字は論文誌7編 (国際論文誌4編以上を含む)、国際会議20編 (うちCORE Rank A会議3編以上、Rank B会議5編以上)でした。全体として目標を達成したと自己評価します。無論、我々はこれに満足せず、常により良く、より多くの成果をあげていきます。

2020: 今年我々は、昨年からのビジョンを拡張したものとして「AI・IoTとソフトウェア工学の接続による人々と社会のためのスマート・システム&ソフトウェアエンジニアリングの実現」を掲げて、10以上の産業界・学術界パートナーと協調しながら、大規模な競争的資金を獲得しつつ研究を進めます。理論に裏打ちされた独創的、アクショナブルかつスマートなソフトウェア・システムズエンジニアリング手法・ツールにより、産業界および学術界に貢献します。よりインパクトのある論文をより良い場所で発表します。具体的には、論文誌7編 (国際論文誌4編以上を含む)、国際会議20編 (うちCORE Rank A/A* 会議3編以上、Rank B/C会議5編以上)を目標とします。我々の研究成果の多くが手法、プラクティス、ツールといった形で、研究パートナーとの連携を通じて引き続き実際に用いられ実質的価値を生み出していくことを追求します。

コミュニティ・プロフェッショナル貢献

2019: 多くのご支援ご協力の元、次にあげる多くのプログラミング・エンジニアリングコンテストを開催あるいは開催に貢献してきました: AsianPLoP 2019, COMPSAC/SISA 2019, ETロボコン2019東京地区大会, XP祭り2019, Life is Tech!と連携したプログラミング・ITキャンプ、IPSJ SamurAI Coding 2018-19. 鷲崎教授はそれらの機会に主要な役割を果たしました: COMPSAC/SISA 2019 PC Co-Chair, AsianPLoP 2019 General Chair. さらに鷲崎教授は次にあげる多くの重要な役割により学協会や社会へと貢献しました: ISO/IEC/JTC1 SC7/WG20 Convenor, IEEE CS PEAB Engineering Discipline Chair, CSEE&T Steering Committee Member, IEEE CS Tokyo/Japan Chapter Chair, APSEC Steering Committee Member, しごと能力学会 理事, COMPSAC Advisory Committee Member, IEEE Trans. Emerging Topics in Computing (TETC), International Journal of Software Engineering and Knowledge Engineering (IJSEKE)およびHeliyon編集委員, 早稲田大学研究推進部副部長、株式会社システム情報 取締役(監査等委員)、株式会社エクスモーション 社外取締役、ガイオ・テクノロジー株式会社 技術アドバイザ。また、鷲崎教授はSWEBOK V4 策定プロジェクトを立ち上げました。

2020: 今年我々は引き続き、次を含む多くの会議の開催や運営に貢献します: AsianPLoP 2020, IEEE COMPSAC/SISA 2020, ETロボコン東京地区大会、IPSJ SamurAI Coding 2019-20. これらのイベントやコミュニティの開催や開催支援を通じて我々は研究成果を発信し、外部社会へと貢献するとともに繋がりを広げていきます。鷲崎教授はCOMPSAC/SISA 2020 PC Co-Chair, AsianPLoP 2020 General Chair, ISO/IEC/JTC1 SC7/WG20 Convenor, IEEE CS PEAB ED Chair, APSEC Steering Committee Member, CSEE&T Steering Committee Member, しごと能力学会 理事, 早稲田大学研究推進部副部長、株式会社システム情報 取締役(監査等委員)、株式会社エクスモーション 社外取締役、ガイオ・テクノロジー株式会社 技術アドバイザ, SWEBOK V4策定リーダ, TETC, IJSEKEおよびHeliyon編集委員として計算機科学全般およびソフトウェア・システムズエンジニアリング領域における研究・産業の発展、コミュニティ醸成および標準化をリードし貢献します。

チーム構成その他

2019: 新たにカナダから交換留学生が加わりました。

2020: 今年も引き続き様々な国々からの留学生の参加を期待しています。多様な背景、文化、マインドセットを持つメンバが集うことで、我々のチームは創造性を含む様々な面でより強化され、上述の研究プロジェクトやプロフェッショナル貢献を強力に推し進めます。

2020年1月1日
鷲崎 弘宜
早稲田大学 研究推進部 副部長
早稲田大学 グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所 所長・教授
国立情報学研究所 客員教授
株式会社システム情報 取締役(監査等委員)
株式会社エクスモーション 社外取締役
ガイオ・テクノロジー株式会社 技術アドバイザ