IEEE Computer Societyにて理事会の理事、副会長、会長の立候補受付開始: 募集メッセージ

世界最大のコンピューティングの学会 IEEE Computer Societyにて理事会の理事、副会長、会長の立候補の受付を開始しました(締切 3/22 5:00PM EDT)。次期会長に就任の機会を得た私自身の経験を踏まえた募集メッセージを日本語で収録しましたので(英語字幕付き)、日本からの幅広い応募に向けた一助となれば幸いです。ご一緒に次の情報処理技術の革新と人類社会への貢献を進めてまいりましょう。ぜひ応募をご検討ください。
https://www.youtube.com/watch?v=eRaVYuSAB6Y

皆様、こんにちは、鷲崎弘宜です。私は現在、世界最大級のコンピュータの学会であるIEEE Computer Societyにて次期会長に就任しています。また2025年に会長に就任する予定です。この歴史ある学会の活動のリードを通じて、皆様のご参加をいただき、コンピューティングや情報処理技術の革新とそれに関わるコミュニティ活動、そしてそれらを通じた人々や社会への貢献を進めていけることをうれしく思います。選挙にあたりましては多くのご支援ご声援ありがとうございました。
このたび、Computer Society全体の活動をグローバルにリードするBoard of Governors、つまり理事会の理事、副会長、そして会長の候補者募集をはじめましたので、私自身の経験も踏まえて、その募集メッセージをお送りします。

私はComputer Societyにおいて、2011年から日本支部であるJapan Chapterにて活動の機会を得ました。Japan Chapterにてセクレタリや会長を歴任し、日本の情報処理に関わる様々な学会やコミュニティとの連携ならびに表彰などの活動を進めてきました。その後、2017年からProfessional and Educational Activities Boardというプロフェッショナルおよび教育活動の委員会にて活動機会を得ました。そこでは主にソフトウェア工学における知識を体系化するThe Guide to the Software Engineering Body of Knowledge (SWEBOK Guide)の策定や、各種の教育プログラムの整理や展開などを推進してきました。

そうした活動を進める中で、産業界や学術界、行政、そして広くコミュニティ全般に対して、さらなる知識の体系化やデジタルによるオープンサイエンスと教育、次の技術イノベーション、それらと連動したさらなる産学官・コミュニティ連携や未来のプロフェッショナルである若年層を含めたエンゲージメントの増進など、より深く、より広くグローバルに、推進していきたいと思うようになりました。そしてそれに取り組む最適な場が、Computer Society全体の活動をグローバルにリードするBoard of Governors、つまり理事会であるとの思いに至りました。そこで理事に立候補しまして、2021年から理事を務めています。

Computer Societyの理事会には私をはじめ世界中から、コンピューティングや情報処理技術により今の、そして未来の世界を変えていきたい、という志を持ったプロフェッショナルが集っています。それも世代や性別、地域、文化、専門性など、非常に多様な形で、ダイバーシティをもって集っています。なぜならば、不確実性の高い現代において、サステナビリティやAIと人々の協調の在り方など、地球規模の複雑で答えのない問題に対してイノベーションとそれに関わるコミュニティ活動を持続的に推進するうえで、ダイバーシティが不可欠であるからです。アメリカに本部を置くComputer Societyにおいて、アジア・日本において活動する私が理事や会長就任の機会を得ていることも、これまでの活動や今後のビジョンを評価いただいたこともさることながら、ダイバーシティの面の評価も大きいと捉えています。

Computer Societyの活動は、誰かに指示されてやらされるというものではありません。逆に、皆様の、未来のコンピューティングやコミュニティ活動はこうあってほしい、未来のコンピューティングを担う次の世代はこのように元気づけられ動機づけられてほしい、そうした思いを、具体的に自らの行動で実現していく場です。その活動全体をリードするBoard of Governors、理事会に、ぜひ皆様の応募をお待ちしています。Computer Societyでご一緒に、違いを生み出し、次の情報処理技術の革新と人類社会への貢献を進めてまいりましょう。